フリーランス美容師が経費にできるもの一覧|節税のための経費計上術

2022.02.24

フリーランスの美容師になると、確定申告や経費の計上を自分で行う必要があります。しかし、経費を正しく計上すれば大きな節税になります。この記事では、フリーランス美容師が経費にできるもの・できないものを一覧で整理し、賢く節税するための経費計上のやり方を解説します。

結論:経費を計上するほど税金は安くなる

税金は、売上から必要経費を引いた「所得」にかかります。つまり、仕事に必要な支出を漏れなく経費にするほど、課税対象の所得が下がり、税金が安くなります。

所得 = 売上 ー 必要経費(この所得に税率がかかる)

所得税の税率は所得額で変わり、例えば所得195万円〜329.9万円は10%、330万円〜694.9万円は20%です(2026年7月時点)。稼ぐほど税率が上がるため、手元に残すには経費計上を確実に行うことが大切です。

経費にできるもの一覧

面貸しなどすべてのフリーランス美容師が経費にできる主な項目は次のとおりです。

  • 消耗品:シャンプー・リンス・各薬剤、シザーやカミソリ、タオル、消毒液など施術に使うもの。
  • 宣伝費・広告費:ホームページ作成、ポータルサイトへの登録、ポスティング、SNS集客のコンサル費など。
  • ユニフォーム:施術時に着用する仕事用の衣装(第三者から見ても制服とわかるもの)。
  • セミナー費・研修費:技術向上のための受講料。開催地への交通費・宿泊費も対象。
  • (店舗を持つ場合)家賃・光熱費・保険料・修繕費:事業に使う割合分を計上可能。

シェアサロン・面貸しの利用料も経費にできる

見落とされがちですが、シェアサロンや面貸しの利用料は、施術を行うための場所代・設備利用料であり、事業用途である限り必要経費として計上できます。勘定科目は、設備やサービスを含んだ利用契約として「賃借料」とするか、「支払手数料」「地代家賃」などで処理するのが一般的です。科目名そのものより、一度決めた科目で毎年継続して処理することが大切です。判断に迷う場合は税理士や税務署に確認しましょう。

当社(GO TODAY SHAiRE SALON)の利用料も、同じように経費計上の対象になる事業上の支出です。料金は店舗ごとに異なり、各店舗ページで公開しています。また、当社店舗の利用では、予約・顧客管理・カルテ・アプリ内カード決済が使えるアプリ「SHAiRE」の初期費用・月額・決済手数料がいずれも無料で(2026年7月時点)、決済手数料は売上に応じた利用料に含まれるため別途の負担はありません。毎月の支出が利用料に集約されるぶん、「何がいくら経費として出ていくか」を帳簿で把握しやすいのも実務上のメリットです。

利用料を払ったうえで手元にいくら残るかの目安は、フリーランス美容師の手取りシミュレーションで試算できます。

材料の仕入れはどう経費になる?

一般的に、シャンプーやカラー剤・パーマ液など施術に使う材料の購入費は「消耗品費」または「仕入」として経費計上します。お客様に販売する店販商品の仕入れは売上原価として扱うため、施術用と店販用を分けて記録しておくと申告時に迷いません。

当社では、材料発注プラットフォーム「Hatt」を運営しています。スマホから発注でき、一括注文によって仕入価格と送料の負担を抑える仕組みで(送料は商品や条件によって発生する場合があります)、主要メーカーの薬剤を最大65%OFFで購入できます(2026年7月時点)。経費を「漏れなく計上する」ことと同じくらい、仕入額そのものを下げることは手元にお金を残す近道です。実際に当社のクルーからは「材料費も抑えられるので原価を下げることもできます」(西川諒さん・GO TODAY SHAiRE SALON公式インタビューより)という声もあります。なお、当社では店販も可能で、店販の売上に利用料はかかりません(2026年7月時点)。仕入れ先の選び方やコストを下げるコツはフリーランス美容師の材料仕入れ方法で詳しく解説しています。

経費にできないもの・注意が必要なもの

  • ユニフォーム以外の私服:普段使える服は経費にできません。
  • 自宅兼店舗の家賃・光熱費の全額:生活分と事業分を面積などで按分し、事業分のみ計上。
  • 30万円を超える高額備品:一括では落とせず、原則は法定耐用年数に応じて減価償却(分割計上)します。

経費項目×勘定科目の早見表

帳簿づけで迷いやすい「どの支出をどの勘定科目にするか」を一覧にしました。勘定科目は一つの正解に決まるものではなく、支出の実態に合った科目で毎年継続して処理することが大切です。判断に迷う支出は税理士や税務署に確認してください。

経費の例 勘定科目の例
シャンプー・カラー剤・パーマ液などの施術材料 消耗品費(または仕入)
シザー・ドライヤーなど10万円未満の道具 消耗品費
シェアサロン・面貸しの利用料 賃借料・支払手数料など
集客サイトの掲載料・SNS広告費 広告宣伝費
セミナー・講習会の受講料 研修費
セミナー会場や出張施術先までの移動費 旅費交通費
取引先・同業者との打ち合わせの食事代 接待交際費
スマホ代・ネット回線(事業使用分) 通信費
会計ソフトの利用料 通信費・支払手数料など
美容師賠償責任保険などの掛金 損害保険料

経費を計上するための3つの準備

  1. 経費帳・出納帳をつける:勘定項目ごとに支出を記録します。手書きでもエクセルでも可。
  2. レシート・領収書を保管する:保管期間は5〜7年。税務調査時に提示できるようにしておきます。
  3. 確定申告の期日を守る:毎年2月中旬〜3月中旬が期限。青色申告特別控除は最大65万円(e-Taxによる電子申告または電子帳簿保存が条件。紙提出は55万円)ですが、期限に遅れると10万円に減額されます(2026年7月時点)。

会計ソフトで経費管理を楽にする

経費管理や確定申告は、クラウド会計ソフト(マネーフォワード クラウド、弥生、freee会計 など)を使うと大幅に楽になります。銀行口座やクレジットカードと連携して仕訳を自動入力したり、確定申告書類を自動作成したりできます。多くは月額1,000〜2,000円程度で、初年度無料のプランもあります。事務作業を減らして、本業のサロンワークに集中しましょう。ソフトごとの違いや選び方はフリーランス美容師の会計ソフトの選び方で解説しています。

先輩たちがつまずいたのも「お金まわり」でした

当社の社内アンケートでは、フリーランスになって最初につまずきやすいこととして「確定申告・経費管理などのお金まわり」を挙げる声が多くあります(当社調べ)。経費や申告で戸惑うのは特別なことではなく、多くの先輩が同じ場所でつまずいてきました。当社で働くフリーランス美容師のHARUNAさんも、フリーランスとして働くうえでは「確定申告、体調管理、ブランディングをしっかりしていくことが大事」と語っています(GO TODAY SHAiRE SALON公式インタビューより。個人の体験談であり、税務の指南ではありません)。

「いつ・何を・どこへ」の全体像は確定申告・税金の年間スケジュールで確認できます。

よくある質問

領収書がない支出は経費にできませんか?

交通費など領収書が出ない支出は、日付・金額・用途を出納帳に記録しておけば経費にできます。可能な限りレシート・領収書は保管しましょう。

食事代は経費になりますか?

取引先や同業者との打ち合わせなど、仕事に関連する食事は交際費として計上できます。一人の食事やプライベートの外食は対象外です。

開業前に買った道具は経費にできますか?

開業のために購入したものは「開業費」として計上できます。開業前の領収書も保管しておきましょう。

シェアサロンの利用料はどの勘定科目にすればいいですか?

「賃借料」や「支払手数料」で処理するのが一般的です。大切なのは科目名よりも、事業用の支出であることと、毎年同じ科目で継続して処理することです。不安な場合は税理士や税務署に確認しましょう。

経費計上とインボイス制度(消費税)はどう関係しますか?

この記事で解説してきた経費計上は「所得税」を計算するための話で、インボイス制度は「消費税」に関する別の制度です。年間の課税売上高が1,000万円以下のフリーランス美容師は原則として消費税の免税事業者で、免税事業者のままであれば、経費計上はこれまでどおりレシート・領収書の保管と帳簿づけで問題ありません。一方、インボイス(適格請求書)発行事業者に登録すると課税事業者となり、消費税の申告・納付が必要になります。登録した場合、売上にかかる消費税の2割を納めればよい経過措置(いわゆる2割特例)がありますが、個人事業主では2026年分の申告までと期限が区切られています(2026年7月時点)。登録の要否は、お客様が一般消費者中心か、法人との取引があるかによっても変わります。詳しくはインボイス制度はシェアサロンと業務委託でどう違う?で解説しています。判断に迷う場合は税理士や税務署に確認しましょう。

まとめ

フリーランス美容師は、面貸しでも店舗経営でも、経費にできる項目がさまざまあります。大切なのは、レシート・領収書を確実に保管し、こまめに記録すること。経費を正しく計上して、無理のない節税を実現しましょう。なお、この記事の税務に関する内容は一般的な情報です。個別の取り扱いは状況によって異なるため、迷ったときは税理士や税務署に確認すると安心です。収入の仕組みはフリーランス美容師の収入の仕組み、開業の手続きは開業届の書き方もあわせてご覧ください。

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