美容室の開業資金はいくら必要?内訳・運転資金の目安と4つの開業手続き

2022.04.12

美容師として将来「独立したい」、自分のお店を持ちたいと一度は考えたことがある人は多いのではないでしょうか。結論から言うと、美容室を店舗で開業する資金は一般に1,000万〜1,200万円程度といわれ、内訳は「物件取得費・内装・設備などの設備資金」と「当面の運転資金(3ヶ月分・100〜200万円が目安)」に分かれます。この記事では、開業資金の内訳と準備のポイント、そして見落としがちな「4つの開業手続き(税務署・都道府県税事務所・保健所・消防署)」を解説します。独立全体の手順は独立・開業までの5ステップガイドをご覧ください。

美容師が独立する3つのメリット

  • 自由な働き方ができる:営業時間・営業日を自身のワークスタイルに合わせて設計できます。
  • 収入アップが期待できる:経営が軌道に乗り、必要経費以上に売り上げられれば、雇われているときより収入が上がる可能性があります(収益構造の詳細は独立すれば儲かる?)。
  • 実力を試せる:技術面だけでなく、経営者としてのマネジメント力や集客力も試されます。

開業資金の内訳:いくら必要?

店舗を構える場合の開業資金は一般に1,000万〜1,200万円程度といわれます。大きく「設備資金」と「運転資金」に分けて考えましょう。

種類 中身 ポイント
設備資金 物件取得の保証金・内装工事費・シャンプー台などの美容設備費 金融機関から融資を受ける場合、主にこの設備資金が対象
運転資金 シャンプーやカラー剤などの材料費、スタッフの人件費など営業に最低限必要な資金 3ヶ月分(おおよそ100〜200万円)を確保しておくと安心。融資を受ける場合も運転資金は自分でまかなうことがほとんど

資金の調達:日本政策金融公庫の融資

自己資金で足りない分は、日本政策金融公庫から融資を受ける方法があります。一般の銀行融資より金利が低く、創業期に前向きなのが特徴です。初めて利用する場合は創業計画書等の提出が必要で、審査には時間がかかるため余裕を持って申し込みましょう。調達方法の詳細は自己資金ゼロで美容室を開業する方法で解説しています。

出店する場所と物件を決める

お店のコンセプトやターゲットに合わせた場所にテナントを借りましょう。駅からのアクセスのしやすさも大切なポイントです。場所選びの考え方と物件取得費の内訳は開業場所の選び方で詳しく解説しています。

独立する時に必要な4つの開業手続き

店舗を開業する際は、役所に出向いて手続きをしなければなりません。土日祝日は対応していなかったり時間がかかる場合があるので、余裕をもって進めることが重要です。

届け出先 書類 期限
税務署 開業届(+青色申告承認申請書) 開業後1ヶ月以内(青色は原則開業から2ヶ月以内)
都道府県税事務所 事業開始等申告書 開業後速やかに(期限は都道府県により異なる)
保健所 美容所の開設届一式 開業の10日前までが目安
消防署 防火対象物使用開始届出書 使用開始の7日前まで

税務署:開業届を提出する

「個人事業の開業・廃業等届出書」を開業後1か月以内に提出します。あわせて、節税メリットの大きい青色申告を使うための「青色申告承認申請書」も一緒に提出しておくのがスムーズです(書き方は開業届の書き方(記入例付き))。

都道府県税事務所:事業開始等申告書を提出する

個人事業税に関わる届け出として、都道府県税事務所に「事業開始等申告書」を提出します。提出期限は都道府県によって異なるため、開業後速やかに確認して提出してください。

保健所:美容所の開設届を提出する

美容所として営業するには保健所への届け出と検査が必要です。主な必要書類は次の5つで、開業の10日前までを目安に届け出ましょう(詳細は管轄の保健所で要確認)。

  • 開設届
  • 施設の位置図
  • 構造・設備の概要
  • 従業者名簿と美容師免許証
  • 医師の診断書

提出後に保健所の実地検査があり、構造設備の基準を満たして合格する必要があります。

消防署:防火対象物使用開始届出書を届け出る

店舗への入居や建物を使用する際に提出する届出です。使用開始の7日前までに提出する必要があります。なお、個人事業主としてはじめるか法人を設立するかによって届け出る内容が変わるので注意してください。

資金ハードルを下げる選択肢:まずシェアサロンで独立する

「1,000万円の資金はすぐには用意できない」という方には、先にシェアサロンでフリーランスとして独立する道があります。物件取得費・内装工事費・美容設備費が不要なため初期費用を大きく抑えられ、働きながら開業資金と顧客基盤をつくれます。手元に残る金額の目安は手取りシミュレーションで試算できます。

よくある質問

美容室の開業資金はいくら必要ですか?

一般に1,000万〜1,200万円程度といわれます。内訳は物件取得費・内装工事費・美容設備費などの設備資金と、材料費・人件費などの運転資金(3ヶ月分・100〜200万円が目安)です。規模や立地、居抜き物件の活用などで大きく変わります。

運転資金はなぜ必要なのですか?

開業直後は顧客が安定せず、売上が計画を下回っても材料費や家賃の支払いは発生するからです。融資の対象は主に設備資金で、運転資金は自分でまかなうことがほとんどのため、最低3ヶ月分は確保してから開業しましょう。

自己資金が少なくても開業できますか?

日本政策金融公庫の創業融資などを活用する道はありますが、審査では事業計画と実績が重視されます。まずシェアサロンなど初期費用の小さい形でフリーランスとして実績と資金をつくってから店舗開業に進むのが現実的です(詳しくは自己資金ゼロでの開業方法)。

まとめ

美容師として独立するために必要な準備と開業資金について紹介しました。開業資金は設備資金+運転資金3ヶ月分で考え、税務署・都道府県税事務所・保健所・消防署の4つの手続きを余裕を持ったスケジュールで進めましょう。スムーズに融資を受けるためにも、具体的なコンセプトを明確にしてしっかりとイメージすることが大切です。独立全体の流れは独立・開業までの5ステップガイドで確認できます。

MORE INFORMATION

もっと詳しく知りたい方へ

よく読まれている記事