フリーランス美容師は料金設定も自由?薄利多売は負のループ

2022.04.12

「フリーランスになったら料金は自由に決められる?安くすればお客様は増える?」——結論から言うと、面貸しやシェアサロンなら料金は自由に設定できますが、安売り(薄利多売)は負のループに陥るためおすすめしません。カットは作り置きできない仕事だからです。この記事では、働き方別の価格決定権の違いと、安売りがなぜ危険なのか、そして「安さ」ではない価値でお客様とwin-winの関係を築く考え方を解説します。具体的な料金の決め方の手順は施術料金の決め方と注意点と合わせてご覧ください。

カット料金は美容師としての価値

カット料金の設定で重要になるのが「自己ブランディング」です。『自分がどの層にウケる美容師なのか』『自分のカットにどんな価値があるのか』『美容師としてどうありたいのか』。カット料金は材料原価がほとんどかからない分、そのまま「美容師としての価値」に直結します。

面貸しやシェアサロンの場合は自由に価格を設定可能

面貸しやシェアサロンは、自分で集客したお客様に施術する働き方です。売上から利用料(場所代や光熱費など)を差し引いた額が収入になり、料金は自分で設定できます。価格決定権を持てることはフリーランスの大きな強みです。

業務委託で働く場合はお店の値段に合わせる必要あり

業務委託は、美容室が集客したお客様の施術を委託され、売上に対する報酬を受け取る形です。集客は美容室側が行うため、料金は美容室が設定した値段に合わせます。働き方ごとの違いはフリーランス美容師の働き方3種類で比較できます。

料金設定の掟:「安さ」で戦わない

競争から「安売り」に走る美容室は多くあります。「安い」ことの集客力は圧倒的ですが、安くなるほど現場の仕事量は増えます。高価格帯の美容室の2倍の仕事量をこなさないと売上は同じになりません。しかもお客様は料金が安くてもサービスの「上質」さを求めています。安価にするほど「誰でもいい美容師のカット」として選ばれ、「自分のカット」の価値は下がり、自己ブランディングを確立できなくなります。

薄利多売は負のループ

「安売り」による売上は、数をこなさなければ成立しません。例えば牛丼チェーンは「牛丼」を“作り置き”することで「上質」を維持しながら効率を上げられるため、『安くて美味い』を実現しています。ですが美容師の「カット」は作り置きできず、その場で“調理”しなければなりません。時間に追われながらのカットは質が低下します。つまり「カットの安売り」は『安くて美味い』のどちらも実現できないのです。『安い』カットへの信頼は下がり続け、『うまい』と喜ばれる信頼も獲得できない——これが顧客を獲得できない「負のループ」です。

安い=喜ばれる、は幻想

接客業の現場に立つ人は、「安い」ことが「サービス」であると安売りを美化してしまいがちです。ですがサービスのつもりの安売りは身を切るだけの結果を招きます。低価格帯の美容室は「安かろう悪かろう」のハードルをお客様側が下げているため、提供しているのは「妥協」です。フリーランスが目指すべきはその逆——「あなただから選ぶ」という指名です。

お客様とwin-winの関係性を築くべし

お客様の「満足度」は「髪を切ってもらう」というサービスだけでは測られていません。コミュニケーションの中にある「居心地の良い時間」や「情報交換」も、美容師にとって大事な付加価値です。お客様への「満足度」と自分に返ってくる「対価」が真っ当であれば、どちらにとってもwin-winです。

この関係はSNS上のインフルエンサーが行う「ファン経済」に近いもの。お気に入りの美容師からもらう体験に、お客様は「対価」で応援してくれます。たくさんのお客様から「指名」されることは、「応援されている」ことと同じなのです。

よくある質問

フリーランス美容師は料金を自由に決められますか?

面貸し・シェアサロンなど自分で集客する働き方なら自由に設定できます。業務委託は店が集客するため店の料金に合わせます。具体的な決め方は施術料金の決め方(目標の手取りから逆算)を参照してください。

なぜ安売りはだめなのですか?

カットは作り置きできず、数をこなすほど一人ひとりにかける時間が削られて質が下がるからです。価格を下げるほど自分のカットの価値も下がり、指名で選ばれにくくなる負のループに陥ります。

高めの料金でもお客様は来てくれますか?

「あなたに切ってほしい」という価値を伝えられれば来てくれます。技術に加え、居心地の良い時間やコミュニケーションといった付加価値を磨き、SNSやカウンセリングで伝えることが高単価を支えます。収入の目安は手取りシミュレーションで試算できます。

「お客様との良好な関係」が美容師の価値

「自分=商品」の適正価格がいくらなのか、そして「どうありたいのか」は、終わりのない課題です。ですがそれはお客様に「応援される」ことで報われ、「またそれに応えよう!」という力になります。カットの値段は、美容師とお客様との良好な関係を築くための大切な要素。「安さ」ではない価値を見出せるようにしましょう。価格を自分で設計できる働き方に興味があれば、独立・開業までの5ステップガイドもご覧ください。

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