なぜフリーランス美容師は増えるのか。

2022.04.12

「なぜいまフリーランス美容師が増えているの?」——その疑問に答えます。結論から言うと、フリーランス美容師が増えているのは、「拘束時間・薄利多売・低い平均年収」という従来の業界構造に、SNSによる個人集客とシェアサロン・業務委託の普及という「出口」ができたからです。この記事では、美容師の働き方が変わった理由を業界の構造から順に解説します。フリーランスの働き方そのものの解説はフリーランス美容師とは?をご覧ください。

前提:雇われ美容師の給料の仕組み

美容師の給料は多くの場合「基本給+歩合給」で構成されます。基本給は営業時間に常駐すること(拘束時間)への対価、歩合給は担当した売上からの還元です。売上を伸ばせば給料は上がるはずですが、理美容師の平均年収は約330万円(厚生労働省統計)と低い水準にとどまっています。その原因は業界の構造にあります。

理由1:クーポン集客による薄利多売構造

2000年代以降、美容室の集客の窓口はクーポンサイトになりました。圧倒的な集客力がある反面、多額の掲載費がかかり、技術はクーポン価格で売られます。単価が下がれば数をこなすしかなく、1日に担当できる客数には限界があります。結果、長い拘束時間と激務の割に歩合が伸びない「薄利多売・安月給」の構造ができました。

理由2:キャリアの出口が「店舗開業」しかなかった

多くの美容室は小規模経営で役職の概念が少なく、売上を伸ばしたスタイリストの次のステップは「独立開業」が定番でした。しかし美容室の開業は専門機材や駅近テナントの確保など初期費用が大きく、クーポンサイトの掲載費も上乗せされます。誰もが挑戦できる道ではなく、30代を中心に将来不安から離職する美容師が後を絶ちませんでした。

理由3:SNSで「個人の集客」が可能になった

2010年代以降、スマホとSNSの普及が状況を一変させました。美容師は自分のSNSでヘアスタイルを発信し、クーポンサイトを介さずに予約まで完結できるようになりました。つまり、美容室に所属しなくても個人が能動的に集客できる時代になったのです。

理由4:シェアサロン・業務委託という「受け皿」ができた

個人で集客できる美容師にとって、雇用の歩合よりフリーランスの報酬(売上の50〜90%が手元に残る一般的な目安)の方が収入が増えるケースが多くなりました。店舗を持たずに働けるシェアサロンや業務委託サロンの普及で、大きな開業資金なしの「実質的な独立」が可能になったのです。

美容師が辞める理由は「拘束時間」「激務」「薄利多売」「安月給」でした。収入を増やしたい、育児と両立したい、体を壊さず働きたい——これらがフリーランスという選択で解決できるようになり、苦労して技術を得た美容師が業界を離れずに済む「受け皿」になっています。

フリーランスになるのは難しくない

フリーランス=個人事業主になるには、税務署への開業届・青色申告承認申請書の提出、国民年金・国民健康保険への切替、毎年の確定申告といった手続きが必要ですが、いずれも決まった手順で進められます。具体的な流れは独立・開業までの5ステップガイドにまとめています。働き方は集客をサロンが担う「業務委託」と、自分で集客する「面貸し・シェアサロン」に分かれます(違いの詳しい比較)。

シェアサロンや業務委託サロンには様々な経歴の美容師が集まります。価値観や技法、接客の違いに触れることは、働き方の視野が広がるきっかけにもなるはずです。

よくある質問

なぜフリーランス美容師は増えているのですか?

拘束時間・薄利多売・低い平均年収という従来の雇用環境に対し、SNSでの個人集客とシェアサロン・業務委託の普及によって、店舗を持たずに収入と時間の自由を得られる選択肢ができたからです。

フリーランスになると収入は上がりますか?

指名客がいる美容師なら、雇用の歩合より手元に残る割合が高くなりやすい傾向があります(一般的な目安で売上の50〜90%)。詳しくは手取りシミュレーションで試算できます。

これからフリーランス美容師はどうなりますか?

髪の需要が絶えることはなく、働き方の選択肢は今後も広がると考えられます。仕事とプライベートを両立できる働き方が、より多くの美容師の手に届くようになっています。

まとめ

フリーランス美容師の増加は、業界構造への合理的な適応です。雇用の構造的な限界に対して、SNS集客とシェアサロンの普及が新しい選択肢を作りました。自分の働き方を見直すなら、まずはフリーランス美容師とは?で働き方の全体像を、収入シミュレーションで自分の手取りを確かめてみてください。

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