テーマは「24時間にプラスする」〜西山 佳佑〜

マイスタイリスト
マイスタイリストという月額制で専属スタイリストをつける事ができるサービスを始めました!
アメリカのバーバー文化を目にしたときに「カット」とは身だしなみや、嗜好品と同じだと感じたんです。だからこそ、僕が掲げるスローガンは「24時間にプラスする」
伸びたから切るではなく、“伸びる前に切る”を当たり前にしていきたいんです。「給料日に入ったら切ろう」と思っているお客様って多いと思うんですが、だからこそ、お金を気にしないで美容室に通う事ができたらどうだろう…と考えました。
働き盛りの男性にはイベントが多いですよね、だからこそ給料日を気にせず「定額制で常にかっこいい自分」を手に入れて欲しいんです。

──定額制だからこそ、もっと自分の身だしなみにこだわれますよね。
例えば彼女や奥さんと食事する前にスタイリングだけして欲しいのもOK!重要な会議の前に少し整えるのもOK。
「給料日の後に切る」から「〇〇の為に切る」に、変わる。そうすれば、お客さんが一番楽しめる髪型で毎日を過ごすことができます。
あとは「専属でスタイリストつけてるんだよね」って自慢してくれてもいいし、そのちょっとした優越感も価値になると思っています。
──お客様のQOLが、かなり上がりそうな定額制ですね…!
僕たち美容師、そして美容業界にとっても、こういう面白いシステムを作っていくことが大事だと思っているんです。僕がお店のオーナーになったら、アシスタントが「お母さんと旅行行きたい」って言ったとき、1週間なり2週間なり休ませてあげたいなと思っていたんです。
でも今の美容界は休めない。それは利益を出す方法が、予約を詰めるなど、目の前の利益を増やす方法しかない。
だからこそ、トップに立つ人間がセミナーの講師や、「マイスタイリスト」みたいにみんながやらないことをやったり、美容会以外へのコンサルをしたり、自分の頭の中を売れたら状況って変わって来るのかもしれないって。
世界を大きく、視野を広げる

──これからの美容師にとっても、こうしたチャレンジが大事になってくるんですね。
休みがあれば、今よりももっとインプットできますよね。例えばお客様が「フジロック行った」って話を聞いたときに美容室のスタッフは「いいですね〜私も行きたいな〜」みたいなことになる。だって休みが取れなくて、自分は行くことができないから。
髪だっていろんなものを見て、世界をみているからこそ、表現できるはずなのに。休みがないから、外のものをみることができない。
──休みがないと、心の余裕がなくなることだけではなく、インプットの質も量も下がりますよね。
そうですね、もっとたくさんの美容師さんに視野を広げてほしいと思っています。
僕自身もシェアサロンに入っていろんな人がいることを知って、今まで自分は狭い世界のなかで、いろいろな事に縛られていたことに気づました。でも、それってすごくつまらなかったんです。
視野が狭いと、技術もストップしちゃうんですよね。
──技術もストップ?
ベーシックな勉強をしたベースを持った上で、世界中の動画をみたときに、「こんな切り方いいの!?」って衝撃を受けたんです。どんどん楽しくなって上手くなっていって、カットでまた遊べるようになりました。
インターネットに自分も自由にやっていいんだって、教えてもらったんですよね
──インターネットを通して、世界の美容師さんの技術を吸収してきたんですね…!
はい。今は、自分のブログに自分の技術を、全て書いています!
顔まわりのレイヤーの切り方も、カラーの配合も、ブログを見ただけでわかるようにしています。
──すごい…!
誰かがたまたま僕の記事を見つけて、ヒントになってくれたらいいなと思っているんです。僕はインターネットで色々な技術を見て、刺激を受けて、助けられたから。
金魚鉢の金魚

通勤に50分くらいかかるので、その時間で読書をする事を自分ルールにしています。
最近読んだ本に田端信太朗さんの「ブランド人になれ!会社の奴隷解放宣言」という本があったんですけど、その中ですごく共感した話があって…
金魚鉢の金魚の話なんですけど。
──金魚鉢の金魚…?
大きい金魚鉢に、金魚20匹を入れます。そこに透明な板を金魚鉢の真ん中に入れると、初めは見えなくて金魚はぶつかるんです。しかし何度も失敗を繰り返すうちに、金魚は学習してぶつかることがなくなります。
そうなったときに、ゆっくり透明の板を抜きます。そうすると、金魚は板がないのに自分たちの動ける範囲でしか動きません。これを学習性無気力と言います。
ですが、そこに何も知らない金魚を入れると、金魚鉢を自由に動き回ります。そうすると周りの金魚は「え?そっちいけんの」となってまた自由に動き始めることができるんです。
──うわ〜それすごいですね、しかも人間界でもかなりありますよね、そういうの…。
そうなんです!板を超えるのって難しい…難しいけど、初めは板を意識せずに動けていたはずなんですよね。知らぬ間にいつしか自分が区切りをつけるようになっているんです。
だからこそ「とりあえずやってみる精神」がすごく大事です。
