「一人の女性美容師が何万人を幸せにできるだろう」ERI HITOMIはなぜ目の前の人のために生きる

──フリーランスになったキッカケを教えてください
吉祥寺で店長をしていました。マンツーマンで220万売り上げていたので、かなり多忙な毎日でした。店長という立場上マネジメントもしなければならなくて、ストレスでパニック障害や難聴になったんです。4月に病院でドクターストップがかかって退職しました。
──ええ…売り上げもすごいですが、パニック障害や難聴になるほどストレスを抱えてしまっていたんですね。
そうなんです。そんな時にフェイスブックでGOTODAYの飲み会の広告をたまたま見て参加してみたんです。そこで、フリーランスについて教えてもらってちょうどこれからGOTODAYができるという話だったので、入ろうかな…と。
肩の力を抜いた時に活きる経験と学び

──えりさんは、現役でフリーランス美容師を続けながら、美容師さんのコンサルティングもされているとお聞きしましたが、始めたきっかけはありますか?
もともと自分が店長をしていた時、お店の子には厳しく指導していたんです。自分自身の売り上げの法則やリピートの方法、所作の美しさまで必死で教えるんですけど、向こうからの質問ってなくて。「どうして言われた通りにしないんだろう?どうしてできないんだろう?」と思っていたんです。 そんな時、友達の後輩にはもっと軽い気持ちで教えていたんです。売り上げに関してもそうだし…仕事というより悩み相談の延長線上というか…そしたら、その子の売り上げが上がっていって、すごく感謝されたんですよね。

──自分のお店の子のことだと必死になって厳しくしてしまうけど、友達の後輩なら肩の力を抜いてシンプルなアドバイスができるんですかね…。第三者だからこそ、なのかもしれないですね。
そうですね。第三者だからわかるものってあるのかなって。その時、それって仕事にできるよって友達から言ってもらって確かに、仕事にした方がもっとたくさんの人を育てたり救ったりできるかなと思ってコンサルの仕事を始めました!
──コンサルはどんな美容師さんを対象にされているんですか?
美容室の店長さんや、オーナーさんが多いです。
──その美容師さんたちはどんな悩みを持っている方が多いですか?
スタッフさんのことが多いですね。言うことを聞いてくれない、伝わらないとか。下の子の伸ばし方がわからなくなってしまうんですよね。 でも自分もそうだったから、その気持ちがすごくよくわかるんです。 上としてのプライドが邪魔をしてる時って多いし…自分のお店って強気になる場所であり、弱みを見せられない場所だから。
目の前の人を幸せにできるか

──実際にマンツーマンでコンサルティングをしてみてどうですか?
第三者の視点が加わることで、現状を打破できることがあるなって感じてます。 私は「目の前の人をどう幸せにするか」を大切に生きていて、小さい頃から人を喜ばせたり、人の幸せそうな顔を見るのが好きなんです。人が大好きで、人に幸せにしてもらっているので、美容師もヘアメイクもコンサルティングも仕事に出来て、すごく幸せです。 それに、自分がやるべきだって思っているんです。
──それはなぜですか?
コンサルティングをするにあたって大手のコンサル会社に話を聞きに行ったことがあって、 美容室のコンサルもしている会社なんですけど“次回予約の取り方って「次の予約とります?」って聞けばいいだけなのに美容師さんたちってやらないんだよね”って言ってたんです。それにすごく腹が立ったんです。だってそれってお客様のことを思ってるから言えないんじゃんって…。なんで言わないのか、言えないのかまで考えずに、美容師がやらないってレッテル貼られていることが、悔しくて。 私はホップステップのホの字の“一画目”から教えます。言うなれば、ハサミの開閉の仕方から教えるのが私、切れ味の良いハサミを教えるのが大手のコンサル会社ですね。
お客様視点を忘れずアップデートし続ける

──美容師は皆、開閉から始まっていますもんね…。深い、わかりやすいです…。
それに私、アシスタントの頃から必ず月に1回美容室に行っているんですよ。
──ええ!毎回違う美容室ですか?
そうですね、基本的には新規で行っています。お客様としての体験ってすごく学ぶものが多いんです。お客様としてのリアル、というか。
──美容師さんは同じお店の美容師や知り合いの美容師に髪を頼むことが多いですもんね。確かに掃除が行き届いていない美容室や、シャンプーが心地よくないと少し損した気分になったり、いつも行かない美容室に行くと身が引き締まりますね…。
美容師視点もお客様視点もどちらも大切にしています。
──プロ目線もお客さま目線も忘れてはならないですよね…コンサルを受けた方達にはどんな実績が出ていますか?
メニュー展開などの提案でサロンの単価が2000円アップしたり、次回予約率が30%上がったり、次回予約が0の人を3ヶ月80パーセントに変えたりとか。
──結果に繋がっているんですね。えりさんのコンサルで大切にしていることはありますか?
メンタルを救ってあげることを大切にしています。 そこに、売り上げ、次回予約、リピート…必要な知識も教えます。私はマニュアルを言ってるだけのコンサルはしないと決めているんです。
理解しても納得できなければ「何も変わらない」

──先ほどお話ししてくださった「開閉から教えるえりさんと、よく切れるハサミを教えるコンサル会社」みたいなことですかね。
うんうん、そうなんです。 「理解はできるけど納得はしてない」そういう状態になると何も「変わらない」んですよね。ちゃんと心に寄り添って、耳を傾けて、オーナー側の気持ちに立つこと。オーナーってどこか孤独だから。
──美容室のオーナーさんを中心にコンサルされているとお聞きしましたが、えりさん自身がオーナーにはならないんですか?
うーん、今は店舗を構えたいと思うきっかけがないんですよね。それにフリーランスであることで、どんな色にも変化できるのは今の私にとって魅力的なんです。縛られないってことは、それだけ多くの人をいろんな角度から救うことができると思っているから。
一人の女性美容師が何万人を幸せにできるだろう

──えりさんが、美容師、ヘアメイク、コンサルと仕事に熱狂するように真剣に取り組むのは何故なんでしょうか。
一人の女性美容師がどこまで他人に影響を与えられるか、社会に貢献ができるのか、何万人を幸せにできるのか、挑戦しているんです。 2年後には海外に学校を建てます。私のオンラインサロンや、セミナー、コンサルでのお金は全てチャリティーに回してるんです。
──ええ学校ですか!?美容師以外のお金はチャリティーへ…なんて愛に溢れた行動を…
それが偽善だっていう人もいますけど、そこに感情は揺さぶられないです。私は今良い環境で働かせてもらっていて、自分がここまで幸せだからこそ、これからは還元して生きていきたいんですよね。 人の喜びって幸せの根源だから。
──はう…なんと尊い生き方を…。今日はお忙し中貴重なお時間をありがとうございました!
